ENVY / 君の靴と未来 ( HGfact )

basquiat1901-01-24

 ご存知、東京の激情カオティックバンド envy の 名盤中の名盤 2nd 。とりあえずカオティック云々というよりは、このバンド特有の味を最高に表現できていると思います。一枚通してもすんなり聞かせる程のアレンジの幅に、ジャンルに捕らわれ過ぎないスケールのでかさはさすがです。 このバンドの懐の深さを感じざるおえません。
 絶叫ヴォーカルが... 病んでしまった暗闇のサウンドが... 悲しみ、苦しみ、恨み、といった感情での心の怒りをぶつける。 そして曲展開はひたすらエモーショナルな方向へとドラマを繰り広げてゆく。そこにあるものはただ最初から存在した光ではなく、真っ暗な感情の渦に埋もれ薄っすらと照らされるもの。 とても向かい合うことのできない、人間の隠すべき醜い部分やひたすらに儚い様。 全く頼るものをなくした者の悲痛の叫び。絶望の導く先とは? このバンドにしか唄えないであろう痛々しく綴られた詩。  決して表面上のみの飾り的なものとは皆無、この音にこの詩ありといったオリジナリティー。         どこか宗教的な要素すらも覚えてしまうであろう、衝撃的作品。    もはや、芸術。
 yuzou